Techno-Ocean2010「船の一般公開事業」Vol.8
「ちきゅう」の一般公開 Vol.3
「ちきゅう」は石油掘削に使われているライザー掘削技術を科学研究に初めて導入し、安定した掘削を実現しているが、そのためには海上で同じ位置を維持し続けなければならない。
海上では水平方向として風や潮流の変化、垂直方向として潮位や波うねりによる大きな変化が考えられるが、水平方向に関しては船底についている6基のアジマススラスタという360度回転するプロペラが、垂直方法に関しては掘削フロアにライザーパイプ用の、デリック上にはドリルビット用のパンタグラフの様な緩衝装置が制御する。
水平方法に対しては、海面から海底までの数千メートルにも及ぶパイプの長さからその撓りもあわせて、ぶれの許容範囲は、15mだそうだが、これは大きいようで、実は船幅38mの40%にも満たないのは、やはり驚きだ:
甲板には直径50cm、長さ27mの夥しい数のライザーパイプが搭載されており、これを継ぎ足し継ぎ足しして海底まで数千メートル、海底から7000メートルまで掘り進む:
海底を掘り進めるためのドリルビット:
採取された長さ9mのコアは、1.5mずつに切断される:
1.5mに切断されたコアは、更に縦に半分に切断され、研究用と保存用に分けられる: